JFAと〈みずほ〉が取り組む価値共創活動では、JFAが掲げるサッカーを通じた社会貢献と、〈みずほ〉の知見・ノウハウを掛け合わせて社会問題の解決を目指しています。
2025年3月には、U-18日本代表向けの「金融教育セミナー」を開催(記事はこちら)。それを踏まえ、プロアスリートに向けた資産形成やファイナンシャル、ライフプランの相談に乗る機会の創出に向けて検討を重ね、なでしこジャパンの選手を対象に「金融相談会」を実施することとなりました。
11月29日の「MS&ADカップ2025 vs カナダ女子代表」に向けたなでしこジャパンの活動に合わせて、長崎スタジアムシティ(ピーススタジアム)内のホテルで金融相談会を開催しました。
金融相談会には、熊谷紗希選手(ロンドン・シティ・ライオネス)、南萌華選手(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオン)、長野風花選手(リバプールFC)、浜野まいか選手(チェルシー)とイングランドでプレーする4人のほか、高橋はな選手(三菱重工浦和レッズレディース)、谷川萌々子選手(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ)の計6人が参加。1人30分を目安に、ファイナンシャルやライフプランに関するさまざまな相談をしました。
今回の相談会を開催するにあたり、3~4月のなでしこジャパンの活動時に、選手を対象とした金融に関するアンケートを実施。その結果、ベテランや中堅、若手の選手それぞれでお金に関する不安や悩みが異なることが分かり、セミナー形式ではなく、一人一人に合わせたテーラーメイドの相談会形式にすることを決めました。
また、「貯蓄や投資をどうすればいいか」「海外通貨と日本円の使い分けについて」「そもそも金融の仕組みや保険に関して知りたい」など、各選手が置かれた状況や経験、お金との向き合い方・考え方によって相談内容も異なるため、〈みずほ〉のライフプランアドバイザーも、資産形成やライフプランのコンサルティングのプロとして、株式会社みずほ銀行の本社から3人、福岡支店から1人の4人を選抜。「どんな質問や疑問にも答えられる」「どの分野について話すべきか」などをミーティング等で入念に準備し、相談会に臨みました。
長崎スタジアムシティの素晴らしいロケーションを生かし、屋外のスタンドでのアイスブレークからスタート。その後は室内のブースに移動し、じっくりと選手自身や家族のこと、お金のこと、ライフプランなどについて、選手と〈みずほ〉のライフプランアドバイザーが話し合いました。
相談会を終え、高橋選手は「もともとお金のことについて調べていて、それを確認したり、新たに教えていただけたりもしたので、自分の中で幅が広がった。今回をきっかけに、またしっかりと勉強していきたい」とコメント。アメリカやイングランドなど海外でのプレー経験を持つ長野選手は「海外と日本で資産をどのように運用していくかといった話を聞けて、とてもためになった。将来のことも考えながら、今日教わったことを実践していければ」と振り返りました。
また、「なかなかお金の話を聞く機会もないので、すごく助かるなと思って参加した」という南選手。「あらためて考えさせられる部分があったし、サッカー選手というキャリアは一生続くわけではないので、引退後のことももっと考えていきたい」と語りました。
相談会の後、〈みずほ〉のライフプランアドバイザーとも話し込んでいた熊谷選手。「自分の生活に合ったものを考えてくださり、またいろいろと良いものがあることも知れて、本当に学びになった。自分自身もこれからのライフプランについて、真剣に考えなければいけないと思った」と話しました。また、「知識を持った上でやるか、やらないかを選べた方が良いと思うので、若いうちから学ぶべきだと思う」と、若年層からの金融リテラシーの向上についてもコメントしました。
「ゼロに近いくらいの知識量で、自分で考えられるようになりたくて参加を希望した」という浜野選手は「難しい単語も多かったが、担当の方が親切で分かりやすかった。若い頃から少しでも積み立てていくことが大事だと感じた。お金とどう向き合っていくか、これから自分自身で考えていきたい」と感想を述べました。
5月に20歳を迎えた谷川選手は、「お金の管理に関してあまり知識がなく、親に助けてもらっている状態なので、自分で管理できるようになりたいと思って相談した。マンツーマンでお話を聞けて、多くを知ることができた」と振り返り、「積み立てについては印象的で、まずは生活する上で必要なお金、趣味や旅行で使いたいお金、貯蓄するお金をしっかり分類すべきだと思った」と今後の取り組みを見据えました。
ライフプランアドバイザーを務めた、株式会社みずほ銀行の個人業務部資産形成チームの木曽葉留香さんは「お金に不安がない状態の『ファイナンシャルウェルビーイング』を当社が目指す中で、選手の貴重なお時間をいただいたので、少しでも金融の知識や今後の人生設計に関してお伝えできればと考えていました。プロのアスリートで、海外で生活する選手もいるという特殊なケースでしたが、常日頃からお金に関するお悩みを持っていると感じましたし、想定以上にしっかりと話を聞いていただけて、ご理解いただけたと思っています」と振り返りました。
そして、「みんなのヒーロー・ヒロインでもある日本代表の選手が金融の知識を得て人生設計を立てていることが伝播していけば、『ファイナンシャルウェルビーイング』の実現も可能だと感じました」と期待を寄せました。
また、同福岡支店ウェルスマネジメント課の明石麻由さんは「これまでプロのアスリートの皆さんと話す機会はあまりなく、事前に想像しづらい部分もありましたが、共通して将来のお金に対する不安や自分に適した方法が何なのかを気にされていました。
そうしたお悩みを聞きつつ、みずほ銀行が提供をするシミュレーションツール『ライフデザインナビゲーション』を活用し、具体的な数字をご覧いただきながら、それぞれに寄り添ったご提案をさせていただきました」と話し、「今回をきっかけに、選手ご自身がお金との付き合い方を今一度考えていただければと思いますし、私たちも引き続きサポートしていきたいです」と語りました。
今回の企画・運営に携わった、株式会社みずほフィナンシャルグループのコーポレートカルチャー室ブランドコミュニケーションチームの美村香織さんは「相談会という形は初めてで、選手がどのような反応をされるか心配もありましたが、選手の皆さんはとてもリラックスしてたくさん話をしてくださりました。幅広くご相談を受けることができ、少しはお役に立てたかなと思います。〈みずほ〉としても、プロアスリート向けの相談やコンサルティングの実績・経験を積み上げることができたので、今後に生かしていければ」と話しました。
今後も〈みずほ〉のライフプランアドバイザーが必要に応じて継続したサポートを実施していく予定です。
相談した選手はもちろん、金融リテラシーの向上による社会課題の解決を目指すJFAと〈みずほ〉にとっても意味のある時間となった金融相談会。今年3月の若年層やアスリート向けの金融教育セミナー、今回のプロアスリートへの金融相談会を踏まえ、来年以降もJFAと〈みずほ〉が連携して、年代やカテゴリーに応じた金融教育を展開していきます。