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CASE取り組み事例

JFA×モルテン「組み立て式サッカーボールを1,000人の子どもたちに届ける︕」プロジェクト

JFA×モルテン「組み立て式サッカーボールを1,000人の子どもたちに届ける︕」プロジェクト

日本サッカー協会(以下、JFA)と株式会社モルテン(以下、モルテン)は、長年にわたり多岐にわたるパートナーシップで連携しています。JFAは、モルテンより1982年からJFAの試合および検定球を提供頂いており、お付き合いが始まってから40年以上にわたります。2016年には「JFA Youth & Development Programme(JYD)」の正式パートナーとなりました。現在では、JYDがJFA PARTNERSHIP PROJECT for DREAM(JPPD)に統合された新しいパートナーシップのもとで、JFAソーシャルバリューパートナー/コンペティションパートナーとして、引き続き、力強いサポートを頂いています。

JPPDでは、JFAの多種多様なアセットを活用いただき、パートナー企業に様々な価値を提供しています。各種大会の看板や広告等メディアを通して、社名やブランド名を露出することにより、企業の知名度や好感度を上げる企業ブランディングや、JFAのプロパティを活用したセールスプロモーション、サッカーを通して共に地域社会に貢献していく活動の推進、企業文化や社員モチベーションの向上を図るインナーブランディングなどが主な取り組みです。

では、モルテンがJFAとのパートナーシップに求めている価値は何なのでしょうか。JFAはサッカーの普及と強化、フェアプレーの精神をビジョンとして掲げています。モルテンも同様に、サッカーを行う上で必要不可欠な「ボール」や「エキップメント」の開発を通して、サッカーの普及や育成を目指しています。同じ志を持ったJFAとモルテンがタッグを組み、競技における課題だけではなく、社会課題や環境問題にも共に向き合っています。JFAとモルテンの連携は、品質・育成・社会課題への貢献を三本柱に、形づくられ、深化し続けています。

さて、今回はモルテンが開発された組み立て式サッカーボールの「MY FOOTBALL KIT」プログラムを全国の児童養護施設や被災地の小学校などに届けることで、「子どもの体験格差解消」を目指す数々のプロジェクトの中から、2025年7月にクラウドファンディングで実施した「1,000人の子どもに届けるプロジェクト」※で集まった寄付金で静岡県の児童養護施設を訪問した様子をお伝えします。

 

※2025年7月22日リリース

JFA×モルテン「組み立て式サッカーボールを1,000人の子どもたちに届ける︕」プロジェクトがスタート- みんなの夢を応援する「JFAクラウドファンディング」を活用 -|JFA|公益財団法人日本サッカー協会

 

活動立ち上げの目的

「体験機会の少ない子どもたちにもっと体験と成長のきっかけを届けたい」

この活動は2022年からJFAとモルテンが共同で開催している夏休み自由研究イベントの収益の一部を活用して実施してきました。より多くの子どもたちに体験を届けたいという思いから、規模拡大、支援先増加のためこの活動を始めました

モルテンは、スポーツがいつも人生のそばにある世界を実現することを目指し、気候変動、格差拡大によって減少するスポーツへの体験機会に対して取り組みを進めています。そんなモルテンの考えと、JFAが取り組むアスパス!で掲げる理念や目標が合致しました。

 

11月某日、JFAとモルテンの担当者は、とある児童養護施設に向かいました。現在、日本全国には約610施設の児童養護施設が存在しています。(出典:公益財団法人 日本児童養護施設財団HP)ではなぜ、今回の支援先としてこの児童養護施設を選択したのでしょうか。

JFA内部でも支援先を検討しているなかで、この企画に人一倍の情熱を注いできたJFA職員から提案がありました。

「児童養護施設で育つなかでサッカーと出会い、人生に希望を持ち、JFLでプレーをした方、私が個人的に発見し、応援していた方で、今回このプロジェクトにも、よければ絡んでいただこうとおもっていました!感動ストーリーです!」(原文ママ)

児童養護施設で育ち、夢を叶えたサッカー選手。今の子どもたちに伝えたいこと(1/2) – ハピママ*

地域リーグ「FC.ISE-SHIMA」で7年間プレーした飯嶋隼人さん© FC.ISE-SHIMA

すぐにモルテンに提案し、満場一致で支援先に決まりました。モルテンからこの児童養護施設にアポイントの連絡を入れていただき、訪問の趣旨をご理解頂くことができ、訪問日が決まりました。訪問前に打ち合わせをオンラインで行い、児童養護施設で育ち、夢を叶えたサッカー選手こと、飯嶋隼人さん(以下、隼人コーチ)と初めて対面しました。ほかにも、隼人コーチが児童養護施設に通っていた当時から在籍されている園長先生にも同席いただき、打ち合わせを通して、隼人コーチが児童養護施設でどのように過ごされていたのか、いかにサッカーと向き合っていたのかを愛情たっぷりに伝えて頂きました。打ち合わせを通して終始印象的だったのが、飯島隼人さんのまっすぐで誠実な人柄と、園長先生から隼人コーチに注がれていた愛情です。

訪問当日、学校が終わる15時過ぎに施設に到着すると、まっさきに目に飛び込んできたのは、園庭で楽しそうにサッカーボールを蹴って遊んでいる子どもたちの姿でした。「こんにちは!」「どこから来たの?」「一緒にサッカーして遊ぼうよ!」など、見ず知らずの大人たちに臆することなく、とても明るく元気に接してくれました。この人懐っこい人柄は、園長先生をはじめとする職員のみなさまの愛情の深さを物語っているようでした。

子どもたちがひとつのお部屋に集まり、JFAとモルテンの担当者による自己紹介から始まりました。「うっちー」「すぎちゃん」「いっきー」「ゆうどう」「きよくん」「すーちゃん」など、このあと行われる組み立て式ボールの作業において、子どもたちが困ったときに親しみをもって接してもらえるように、担当者にニックネームを付けました。この日、集まってくれた子どもたちは約30名でした。インフルエンザの流行などもあり、在園児の全員が集うことは叶いませんでしたが、嬉しいことに、在園児だけではなく、隼人コーチをはじめとする何人かの卒園生も駆けつけてくれて、参加してくれた在園児と一緒にボールを組み立てました。物事には誰しもに得手不得手があり、組み立てることが得意な子もいれば、なかなか前に進まない不得意な子もいましたが、全員が体験機会を得て、楽しみながら、また悩みながらも自分の頭で考えて、自分の手でひとつひとつのパーツを組み立てていく姿は、まさにこの活動のハイライトです。

子どもたちに寄り添う飯嶋隼人さん©JFA/PR
みんなで考えながらサッカーボールを組み立てました©JFA/PR

前述のとおり、可愛いニックネームをまとった大人たちも、困っている子どもたちに積極的に声をかけ、サポートしました。完成したサッカーボールを手に取った子どもたちは、とても興奮した様子で、誇らしげにそのボールを大人たちに見せてくれました。最後には、隼人コーチ×JFA×モルテン×児童養護施設の子どもたち対抗のリフティング大会を実施し、大いに盛り上がりました。

みんなで作ったボールで実施したリフティング大会は大盛りあがり!©JFA/PR

時間にして1時間弱のコミュニケーションでしたが、サッカーボールを介して会話を弾ませ、昔からの知り合いであったかのような笑顔を振りまき、大人も子どもも一つになって、とても有意義で中身の濃い時間を過ごすことができました。

 

ひまわり園 種田園長のコメント

「ひまわり園はサッカーが大好きな子どもたちが多く、今回のイベントを楽しみにしていました。施設にいる子どもたちはサッカーを通して、仲間・地域とつながっていけると思います。今回の支援のきっかけとなった隼人君も、サッカーを通して色々な方と繋がり支えがあって、今の人生につながっている事は嬉しく思います。この度は本当にありがとうございました。」

 

モルテン社員 コメント

「子供たちは隼人コーチの話を真剣な眼差しでみつめ、一緒にサッカーをする事を心から楽しんでいました。同施設で育ち、サッカー選手になる夢を叶えた隼人コーチが、いかに子供たちにとって憧れの存在か、サッカーが持つ可能性を目の当たりにした気がしました。」

 

JFAとモルテンは、全国の児童養護施設の子どもたちや被災地の子どもたちに組み立て式ボール「MY FOOTBALL KIT」を届ける活動を2022年から共に推進し、継続して行っています。毎年、夏休み期間を活用して、自由研究イベントと称して、MY FOOTBALL KITという組み立て式サッカーボールを通してどのようにSDGsに貢献しているか、参加頂く皆様に学びだけではなく体験も通してお伝えしているイベントです。今回ご紹介している児童養護施設への訪問などの活動は、このイベントの収益の一部を活用して実施しています。ぜひ、今回の活動にご興味をお持ち頂いた方には、自らも参加者となって、この活動へのご理解と温かいサポートをよろしくお願いいたします。

 

(まとめ)

社会良し:子どもたちがフットボールを通じて、学習やスポーツの魅力を体感することができる。

パートナー良し:組み立て式サッカーボールMY FOOTBALL KITの寄贈を通して、体験機会の少ない子どもたちにもっと体験と成長のきっかけを届け、体験格差という社会課題を解決していく。

JFA:子どもたちがサッカーに触れるきっかけを作り、夢と挑戦を応援する。

JFA PARTNERSHIP PROJECT for DREAM

2050年、ワールドカップ優勝のために。
想いだけでは、優勝できない。
強くなるための、道からつくる。

JFAの理念

サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、
人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する。

JFAの理念・ビジョン・バリュー