2025年、天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会におけるパートナーシップの新たな取り組みとして導入されたのが、「天皇杯アスパス!パートナー」です。このパートナーシップは、天皇杯という注目度の高い舞台を通じて、サステナビリティへの貢献や社会課題への向き合い方を“見える化”するショーケースの場とすることを目的としています。2021年からスタートしたJFAのサステナビリティのプロジェクト「アスパス!」を媒体に、スポーツが持つ社会的影響力を未来につなげていくその第一歩として生まれました。
そのその記念すべき初代パートナーとして契約に至ったのが、インキ売上高世界3位で、段ボールやアルミ缶用といった様々な印刷インキ分野で世界的に高い評価を得ているサカタインクス株式会社です。持続可能な素材開発や環境配慮型の技術を長年にわたり積み重ねてきた姿勢が、「スポーツの価値を社会に広げたい」というアスパスの思いと重なり、今回のパートナーシップが実現しました。
天皇杯決勝という日本サッカー最高峰の舞台。当日の熱狂と注目が集まる一方で、スポーツイベントが抱える資材使用や環境負荷といった課題に向き合いながら、より良い選択肢を提示することが、本取り組みの狙いです。
大会運営にあたっての様々な製作物を題材にパートナーシップの実践を行うための検討が進められ、今大会は以下3つの分野で協働しました。
①来場者向けノベルティシールへの環境配慮素材の導入
来場者に配布されるノベルティシールには、植物由来原料を使用したサカタインクスの独自ブランド「ボタニカルインキ®」を採用しました。石油系原料の使用を抑えることで、カーボンオフセットの観点からCO2排出量が抑制されることでることで環境負荷低減につながります。手に取る小さなアイテムだからこそ、環境への配慮を“体感”できる工夫としました。来場の記念として楽しみながら、持続可能な選択を身近に感じていただくことを目指しています。
②表彰式で使用する表彰台への環境配慮素材を使用したパネルの導入
天皇杯決勝の表彰式で使用される表彰台には、環境配慮型素材「Recoボード」を使用したパネルを導入しました。Recoボードは、紙や粘着剤といった異素材を一切使わず、すべて同一素材で作り、再生の妨げとならないインクで印刷しているため、分別・加工無しで原料にリサイクルが可能です。
③紙カップのリサイクルの回収箱の設置
スタジアム内には、使用済み紙カップを分別回収する専用ボックス「Re-CUP WASHER(リカップウォッシャー)」を設置しました。これにより、紙カップを資源として再活用する循環の仕組みを実現します。
可燃ごみは、焼却することで、火力発電等で使用する熱エネルギーに変換(サーマルリサイクル)されますが、新たな容器に生まれ変わらせる「マテリアルリサイクル」が行われていないのが実情です。 本企画は、モノからモノへと資源を再利用できるマテリアルリサイクルを実現するための第一歩として、飲み残した紙カップの残渣をご来場者自身が洗浄するサステナビリティアクションを体験していただく機会となっています。
今回はおよそ900個の紙カップを回収することができました。
来場者が自然な行動としてリサイクルに参加できる導線を整えることで、観戦体験の中に環境配慮を組み込みました。一人ひとりの行動が、次につながる取り組みです。
今回の取り組みでは、環境負荷の低減に配慮したインキの活用をはじめ、制作工程全体でCO₂削減を意識した運用が行われました。単なる素材の切り替えではなく、「その選択がどのように社会とつながるのか」を、関係者や来場者に伝える工夫も重ねています。
アスパスはそれをスポーツの文脈と結びつけ、SDGsを特別な取り組みではなく、スタジアムの日常の中に自然に溶け込ませています。
天皇杯アスパス!パートナーは、これからも共創の力で、スポーツと社会をつなぐ新たなスタンダードを描いていきます。